黄緑色のうさぎ

しがないオタクの話

理想でなかったからと縋るのはやめて、お別れしましょう

(最初に)
この記事は特定の人を貶めるつもりも、特定の人だけを上げるつもりもありません。
私自身の思いの整理をするためだけの記事です。

 

 

お別れしたいのは、昨年急にグループからいなくなったあの彼である。6月14日18時に、メール一つだけでいなくなった彼。
いや、もう去年の夏の時点でいなくなったのだからお別れはとっくに済んでるはずなんだが、彼が辞めてからも私の使ってるGoogleくんは賢いんだかアホなんだか、アルゴリズム的にグループ名で拾ってくれてしまうのか、SNSをブロックしていてもちょこちょこと彼の話題は勝手に視界に入ってきていた。

気にしなければいいと過ごしていたけれど、そんな中でどうしても引っ掛かった言葉がひとつだけ。

「グループにいた時代は、どれだけ声が目立てるか考えてた」

一言一句あっている自信はないし、もしかしたら少しニュアンスは違ったかもしれない。だけどこういった言葉が出たってことは、彼からしたら本心から出た言葉だったんでしょう。
でもなぜか私はのどに何か引っかかったみたいな、なんでこんなことになったんだろうって悲しい気持ちになって仕方なかった。
ことあるごとにふと思い出して、なんだかんだ4人が忘れられないんだなと思ってしまう自分が悲しかった。

 

先述した発言自体、現在(2021年10月)から考えると結構古いもので、そんなのをずっと考えるくらいなら自担追っときなさいよ、とは自分でも思う。
でもふと思い出しては、なんでこうなっちゃったんだろうなあって悲しくなる言葉になってしまったことは間違いない。

とは言ったって時間は流れるし、自担はたくさん仕事決まるし、なんだかんだそれが引っ掛かったままなんとなく過ごしてたら新しい沼を見つけてしまい、もうきれいに浸かってしまった。そこは今まで手を出さなかったK-POPで、ボーカルとラッパーが明確に分かれてて、サビもユニゾンじゃなくメインボーカルのソロというのは新鮮だった。そのグループには、推しが2人できた。最初の推しになった子はリードラッパーで、加入経緯はいろいろあったけど今ではかわいがられているマンネ。

そのマンネが、9月からグループのヒョン(お兄ちゃん)のひとりと番組をすることになった。そのヒョンはメインボーカルで、もうめちゃくちゃ歌がうまい。高いキーも余裕で出るし、ライブツアー中に肋骨を折っても、椅子に座って歌い続けることを選んだ仕事の鬼みたいな人。それだけ歌にプライドがあって、でもおごらない姿勢がかっこいいと思った。
そして同時に、「なんであいつはこうならなかった?」と思ってしまった。
その番組内でゲストに向かってヒョンが言った、「高いキーが出るから、どんどん求められるキーが上がった」。彼も本の中で「自分がいたからグループの楽曲のキーはどんどん上がった」と言っていた。こんなに近い発言をしてるのに、その言葉に込められた意味は違いすぎて、やっぱり彼はグループのために歌ってたんじゃなくて、自分のために歌うのが好きだったんだろうなと思えて仕方なかった。

 

そんなもやもやした気持ちの私が、9月の半ばに好きだと思ったもうひとりの推しは、グループを脱退してしまったソロシンガー。

最初は顔がきれいでかわいいな、好きだなとなんとなく思った。
でももう彼はいないと教えられて、確かに2020年の楽曲を見たらひとり足りなかった。

だから、彼が辞めた経緯は聞いたり見たりしただけ。当時を知らないから、ファンの人たちもメンバーも、どれだけ悲しかったのかなんてきっと私は一つもわからない。
私が知っているのは、とある人物のネット上の書き込みが火種になって、あることないこと噂され彼を叩く人が現れて、出て間もなかったアルバムのプロモーションには参加せず、「メンバーに迷惑をかけるわけにはいかない」とグループを脱退、そして所属事務所とは契約解除。この時系列だけ。

私はひとつのグループを追っていてなぜか3回も脱退騒動があったので(実際は推す前にもあって計4回なので、回数は絶対事務所内1位)、当時の彼らファンの人たちが「つらかったこと」はわかる。わかるけど、その「つらさ」はわかってあげられない。だけど、今の形のグループを推すとともに、以前あった形を否定したりしちゃいけないのは理解してる。

そう思っていた時にカムバが決まり、今の彼が楽しそうにソロで活動しているのを見た時に、この人が好きだなと改めて思って、"ソロの彼"を推そうと思った。
彼自身はソロデビューというリスタートできれいに線を引いたように、グループに所属していた過去の話は深くしていない。でもインタビューなどでなかったことにしないし、そのころの彼自身を否定もしない。"その時代の自分"がいたから"今の自分"がいる、というのを言葉と行動、作品で見せてくれる彼が心底眩しくて、ひとつ気が付いた。

私は、やめた彼にこうしてほしかったんだと。

 

あの彼はやめてから、グループ時代のことを書いた本を出版した。
書いたとは言っていたが、おそらく週刊誌でよくある「激白!これまで語らなかった事務所時代!」みたいなものなんだと思う。その本は、できれば墓場まで持って行ってほしかった話のオンパレードだった。
耳に入る話では、事務所はこうだったああだった、だから今のほうが自由でいい。なぜか知らないけど、彼の話は全部事務所時代を否定から入るような言葉ばかりで、もう少しうまく言えないものかとやきもきした。と同時に、なんでこんな否定をされなきゃならないんだ、そこに残っているかつての仲間は懸命に頑張ってるのにとむかついた。
でもそれは私のエゴでしかなくて、彼は彼なりに思ったことを素直に話しているだけだった。ある意味それは今も昔も変わらないんでしょう。
でも昔はその発言の間に事務所というものがいて、私が好きだったのはその事務所が作り出した、まさに偶像だった彼なだけだ。

 

もちろん今追ってる彼らだってきっと全部偶像だ。
でも彼らはアイドルという偶像でいることを選んでくれていて、私はそんな偶像であるアイドルな彼らを応援しているんだと思い出した。本物の彼らに幻滅しても、アイドルという部分で魅了されたら私はもう彼らを全力で応援してしまう。それは2018年の例の事件で分かっていたはずなのに、忘れていた。

彼はその偶像でいる自分をやめたのだから、偶像を追いたい私がむかついてしまうのも無理はない。Not For Me 彼が私の求める人でなくなっただけ。
辞めたんだからそれなりに結果は残してくれと思っていたけど、もうそれもやめる。
彼のファンだった妹より私のほうが、よっぽどあきらめが悪かったことに気が付いた。

ということで、もう本当に彼とはお別れしようと思う。記事や言葉が視界に入っても、もう読むことすらしないでしょう。

ありがとう手越、末っ子としてかわいがられて、歌を引っ張ってくれていたアイドルの君が好きだったよ。